10節 「七日目にアハシュエロス王は酒のために心が楽しくなり、王の前に仕える七人の侍従メホマン、ビズタ、ハルボナ、ビグタ、アバグタ、ゼタルおよびカルカスに命じて、」

11節 「王妃ワシテに王妃の冠をかぶらせて王の前にこさせよと言った。これは彼女が美しかったので、その美しさを民らと大臣たちに見せるためであった。」

12節 「ところが、王妃ワシテは侍従が伝えた王の命令に従って来ることを拒んだので、王は大いに憤り、その怒りが彼の内に燃えた。」

 

解説 「七日目にアハシュエロス王は酒のために心が楽しくなり」(10節)、「王妃ワシテに王妃の冠をかぶらせて王の前にこさせよと言った。これは彼女が美しかったので、その美しさを民らと大臣たちに見せるためであった」(11節)。ぶどう酒に酔った王は心地よく、それで誇らしげに、王妃を酒宴の客たちに見せようとしました。これは、もちろん王妃のためのことではなく、王自身の自慢のため、自己宣伝のためでした。華々しく、贅を尽くした自分の酒宴に、もう一つ、そして最後の花を添えようと考えたのでしょうか。王妃は別の会場で別の酒宴を開いていたはずですが、王は今、男性の酒宴に彼女を召し出そうとしたのです。ところが彼女にそれを断られてしまいます。「王妃ワシテは侍従が伝えた王の命令に従って来ることを拒んだので、王は大いに憤り、その怒りが彼の内に燃えた」(12節)。上機嫌だった王は、一転、機嫌を損ねて怒ってしまいます。この怒りは相当なものだったようで、旧約聖書の原文であるヘブル語では、「そのことは非常に激怒して燃え尽きるほど怒らせた」というように描かれています。

    侍従というのは、新共同訳聖書では宦官のことで、古代のペルシアでも、王の宮廷において主に王のための女性たちの世話をする役人でもありました。「王の前に仕える」(10節)と、王の身の回り近くに仕え、高い地位に就くこともあったようです。この10節で挙げられているそんな7人の宦官たちの名前はみなペルシア名です。王は今彼らに王妃を着飾らせて連れてくるように命じたわけです。7人も必要だったのでしょうか。

    しかし王妃ワシテは、その王の言葉に逆らい、拒んだのです。その理由は特に書かれていません。わたしたちもそれを推測するしかありません。ただ、男性の酒宴に王妃が一人女性として呼ばれた、という状況は、やはり、よくないものを思わせるでしょう。女性なら誰でも、ごく単純に、行きたいとは思わないでしょう。

しかしとにかく、王に対する王妃の不従順というこの事態にどのように対処すべきか、会議が開かれることになりました。時代の制約もありますが、ここでは王妃が王に逆らった、このペルシアの王は王妃も自分に満足に従えさせることが出来ない、という描き方のようです。途方もなく豊かで、最高の権威者のように見えるのに、自分の家庭がこのようでは、王の名誉に傷が付く。皆の前で王が物笑いの種になってしまっている。さあ、どうしようか、と。先週も学びましたように、この第1章では、王妃ワシテの退位と王妃の交代が物語られていきますがここではその経過が一つひとつ描かれているようです。この4年後に、ワシテに代わって、エステルが次の王妃に選ばれるわけです。

 

 聖句は『聖書』口語訳より                               戻 る

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